2026.01.15 犬の皮膚にできた「しこり」は良性?悪性?|細胞診検査の重要性について
愛犬の体に触れているとき、ふと指先にコリッとしたしこりのようなものを感じた経験はありませんか?「これは悪いものなのでは?」「しばらく様子を見ていいのだろうか?」と不安になる飼い主様は少なくありません。
皮膚にできるしこりは、良性のものもあれば、命に関わる悪性の可能性もあります。外見の特徴や手触りだけで、その性質を判断するのは非常に難しく、専門的な検査が不可欠です。
今回は、犬の皮膚にできるしこりについて、その種類や見分け方、早期発見のために重要な「細胞診検査」、そして当院が取り入れている“視覚的にわかる経過観察システム”などについて解説します。

■目次
1.犬の皮膚にできる“しこり”とは?
2.“様子見”が危険なことも|しこりを放置しないほうが良い理由
3.細胞診(FNAC)検査とは?
4.検査後の流れ|細胞診の結果で変わる診療プラン
5.なんごくアニマルの“視覚的にわかる”スタンプによる経過観察システム
6.まとめ
犬の皮膚にできる“しこり”とは?
犬の皮膚にできるしこりには、さまざまな種類が存在します。
たとえば、脂肪が皮下にたまることでできる「脂肪腫」や、若齢犬に多くみられる「皮膚組織球腫」などの良性腫瘍から、進行性の悪性腫瘍まで幅広くみられます。
また、飼い主様からは、「これは良性なのか?悪性なのか?」というご質問をよくいただきます。実際には見た目がよく似ている腫瘍でも、細胞の性質がまったく異なることが多く、見ただけで判断することはできません。
特に以下のような変化がみられる場合は、悪性の可能性が高まるため、注意が必要です。
・しこりが短期間で大きくなっている
・色が変化してきた
・表面に出血がある、あるいは破れている
このような症状が見られる場合には、できるだけ早めに動物病院を受診し、正確な評価を受けることをおすすめします。
“様子見”が危険なことも|しこりを放置しないほうが良い理由
「小さいし、痛がってもいないから大丈夫だろう」と考え、しこりを放置してしまう飼い主様もいらっしゃいます。
しかし、前述したとおり、しこりの性質は見た目では判断できず、たとえ初期に小さくても、悪性だった場合は時間とともに大きくなり、転移のリスクも出てきます。また、しこりが良性であっても、稀に後から急激に大きくなるタイプもあります。
ただし、早期に見つけて評価を行えば、検査の負担も軽く済み、治療の選択肢も広がります。たとえば、外科的に切除する場合も、早期であれば周囲組織への影響を最小限に抑えることができます。
また、犬は痛みや違和感を隠す傾向があるため、見た目に変化がないからといって安心せず、しこりを発見した時点で、できるだけ早く動物病院で検査を受けるようにしましょう。
細胞診(FNAC)検査とは?
細胞診検査(FNAC:細針吸引細胞診)とは、非常に細い針を使って、しこりの細胞を採取し、その細胞を顕微鏡で観察する検査です。
この検査は無麻酔で実施できるケースが多く、犬への身体的な負担や痛みが少ないことが特徴です。そのため、体表にできたしこりの評価方法として、動物医療の現場で広く活用されています。
なお、細胞診によって得られる情報は、以下のように多岐にわたります。
・良性か悪性かの見極めの手がかり
・炎症性か腫瘍性かといった性質の違い
・追加検査の必要性の有無
当院では「刺せる場所であれば、可能な限り細胞診検査を行い評価する」ことを基本方針としています。なお、しこりの診断精度を高め、飼い主様に正確な情報をお伝えするためにも、細胞診は欠かせない重要な検査です。
ただし、顔まわりや目の周辺など、針を刺すことで神経や血管を傷つけるリスクがある部位については、無理に実施せず、安全性を最優先に検査を進めています。
検査後の流れ|細胞診の結果で変わる診療プラン
細胞診検査の結果によって、その後の治療方針は大きく変わっていきます。
<良性が疑われる場合>
すぐに治療を行う必要はなく、定期的な経過観察を通して大きさや性状の変化を注意深く確認していきます。
この際、当院では独自の記録システムを用いて、視覚的にも変化を管理できるようにしています。
<悪性が疑われる場合>
しこりに増大傾向が見られる、あるいは悪性が強く疑われる場合には、以下のような追加検査や治療の検討を行うこともあります。
・血液検査による全身状態の把握
・画像検査(レントゲンやエコーなど)
・外科的切除の検討
なお、当院では検査結果をもとに、飼い主様と一緒に現状を整理しながら、最善の治療方針を選択していくことを大切にしています。検査の内容について、ご不安なことやご不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。
なんごくアニマルの“視覚的にわかる”スタンプによる経過観察システム
当院では、しこりの経過をより正確に、かつわかりやすく記録・共有するために、“スタンプによる視覚的な経過観察システム”を導入しています。
具体的には、犬の体型を模した専用の図にスタンプを押すことで、しこりの位置や大きさ、色などを記録する方法です。このように絵で記録することで、カルテに文字だけで記載するよりも直感的に情報を把握することができ、獣医師と飼い主様が同じ認識を持ちやすくなります。

また、定期的な診察時に以前の記録と比較することで、しこりがどの程度変化しているのかを視覚的に確認できるため、治療の必要性を判断する材料として非常に有用です。
この取り組みにより、「なんとなく様子を見ている」状態ではなく、「根拠をもって経過を観察する」体制を整えています。しこりの管理をより確実に行い、病気の見落としを防ぐためにも、当院の視覚的な観察システムは大きな役割を果たしています。
まとめ
犬の皮膚にできたしこりは、良性か悪性かを見た目だけで判断することはできません。
そのため、自己判断で放置するのではなく、早期に病院を受診し、細胞診検査などの適切な評価を受けることが非常に重要です。
当院では、安全性に配慮しながら積極的に細胞診を実施し、必要に応じて追加検査や治療を検討していきます。さらに、当院独自の“スタンプによる視覚的な経過観察システム”を導入することで、飼い主様と獣医師がしこりの状態を正しく共有しながら、根拠のある見守りを行うことが可能です。
愛犬の皮膚にしこりを見つけた際は、どうぞお早めに当院までご相談ください。
高知県南国市の『なんごくアニマルクリニック』
TEL:088-863-0039
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