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2025.03.28 高知県南国市の犬や猫の皮膚のかゆみでお悩みの方へ|原因と対処法を動物病院が解説

春から夏にかけて、犬や猫の皮膚にかゆみの症状が増えることをご存じでしょうか。暖かくなると、アレルギーの原因となる花粉やカビ、ダニが増え、また湿気による細菌や真菌(カビ)の繁殖も活発になります。そのため、毎年この季節が来るたびに「また皮膚のトラブルが始まるのでは…」と心配になる飼い主様も多いのではないでしょうか。

かゆみを伴う皮膚疾患は、犬や猫にとって大きなストレスとなり、放置すると生活の質(QOL)の低下や、皮膚の悪化につながることがあります。掻き続けることで皮膚に傷ができ、そこから細菌感染を引き起こすことも少なくありません。

こうしたトラブルを防ぐためには、かゆみの原因を正しく理解し、早めに適切な対処を行うことが重要です。

今回は犬や猫の皮膚のかゆみについて、主な原因や、家庭でできるケア方法、動物病院での診察や治療などを詳しく解説します。

■目次
1.犬や猫がかゆみを示すサイン
2.犬や猫のかゆみの主な原因
3.かゆみを放置するとどうなる?
4.ご自宅でできるかゆみケア
5.動物病院を受診すべきタイミング
6.動物病院での皮膚疾患の診断と治療
7.かゆみを予防するための日常ケア
8.まとめ

 

犬や猫がかゆみを示すサイン

犬や猫がかゆみを感じているとき、以下のような行動が見られることがあります。

 

・体や足を頻繁になめる
・しつこく体を掻く
・床や家具に体をこすりつける
・皮膚に赤みや湿疹が見られる

 

初期の段階では、飼い主様が気付かないこともあります。しかし、かゆみが続くと掻きむしることで皮膚が傷つき、そこから細菌感染を起こすリスクが高まります。また、長期間かゆみが続くと、皮膚が硬く厚くなったり、色素沈着が起こったりすることもあります。

軽度のうちに適切なケアを行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。そのため、日頃から犬や猫の行動や皮膚の状態を注意深く観察し、異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

 

犬や猫のかゆみの主な原因

春から夏にかけては、以下のような原因で皮膚のかゆみが増える傾向にあります。

 

<アレルギー性皮膚炎>

犬や猫のアレルギー性皮膚炎には、以下の3つのタイプがあります。

環境アレルギー(アトピー性皮膚炎):花粉、ハウスダスト、カビなどが原因
食物アレルギー:特定の食材(牛肉、小麦、乳製品など)が原因
接触アレルギー:シャンプーや寝具の素材など、直接触れるものが原因

特に春から夏にかけては、花粉やダニの影響で環境アレルギーの症状が悪化しやすくなります。

 

<外部寄生虫による皮膚トラブル>

ノミやマダニは、犬や猫の皮膚に寄生して強いかゆみを引き起こします。ノミアレルギー性皮膚炎を発症すると、数匹のノミに刺されただけで激しいかゆみが続くこともあります。

 

<真菌感染>

高温多湿の環境では、白癬菌などの真菌(カビ)が繁殖しやすくなります。これにより、円形の脱毛や赤みを伴う皮膚炎が見られることがあります。

 

<細菌感染>

湿気が多い時期には、皮膚のバリア機能が低下しやすく、常在菌(ブドウ球菌など)が異常に増殖して炎症を引き起こすことがあります。

 

かゆみを放置するとどうなる?

かゆみを放置すると、犬や猫のQOLが低下し、以下のような症状が現れることがあります。

 

・皮膚の赤みやただれが悪化する
・掻き壊してできた傷から細菌感染が起こる
・皮膚が厚く硬くなり、色素沈着が進む

 

慢性的なかゆみはストレスとなり、食欲不振や元気の低下につながることもあります。早期に対処することで、こうした悪化を防ぐことができます。

 

ご自宅でできるかゆみケア

犬や猫のかゆみを軽減するために、以下のようなケアを行いましょう。

 

<シャンプーケア>

月に1回を目安に、低刺激のシャンプーで皮膚を清潔に保ちましょう。

 

<保湿ケア>

シャンプー後の乾燥を防ぐために、動物病院推奨の保湿剤を使用すると良いでしょう。乾かすときにドライヤーの当てすぎに気をつけることも大切です。タオルドライである程度乾かしてから、ドライヤーを使用するようにしましょう。

 

<環境整備>

アレルギーの場合は、掃除機や空気清浄機を活用し、アレルゲンの少ない環境を作ることが大切です。

 

かゆみの原因は複合的であるケースも多く、対応を間違えてしまうと悪化する恐れがあります。そのため、自己判断で手元にある薬を使用したり民間療法に頼ったりせず、まずは動物病院で検査を受け、原因にあったケアを行いましょう。

 

動物病院を受診すべきタイミング

以下のような症状が見られたら、早めに動物病院を受診してください。

 

・持続的なかゆみ
・皮膚の赤みや湿疹がひどくなった
・脱毛が見られる
・食欲が低下している

 

また、初診時には必ず飼い主様に対して問診を行います。そのため、いつから症状があるか、どのような変化があったか、思い当たるきっかけ(フードや食器を変更したなど)、食事やおやつの内容などを事前にメモしておくと、より正確に情報を伝えることができ、診察がスムーズに進みます。

 

動物病院での皮膚疾患の診断と治療

動物病院では視診や皮膚検査、アレルギー検査などを行い、原因を特定します。その後、薬物療法、シャンプー療法、食事療法などを組み合わせて治療を進めます。治療期間は個々の状態によってさまざまですが、最低でも2週間はかかります。

ただし、慢性的な皮膚疾患は長期的な管理が必要なため、月に1回を目安に通院し、症状などに合わせて治療内容を変えていきます。

 

かゆみを予防するための日常ケア

皮膚トラブルを予防するためには、以下の習慣を取り入れましょう。

 

<定期的なシャンプー>

シャンプーをしすぎると必要な皮脂まで洗い流されてしまい、むしろ逆効果です。そのため、前述したとおりシャンプーは月に1回を目安に行いましょう。

なんごくアニマルクリニックにはトリミング室が併設されており、ウルトラマイクロバブルのシャワーで優しくシャンプーしております。そのため、ご自宅でのシャンプーが難しい子については、プロの手に任せるのもひとつの手です。

当院のトリミングについてはこちらから

<img src="なんごくアニマルクリニックのトリミング .jpg" alt="動物病院でトリミング中の小型犬。トリマーが丁寧に後ろ足の毛をカットしている様子。" />

 

<栄養バランスの取れた食事>

食事や栄養の偏りは皮膚のバリア機能を低下させる恐れがあります。そのため、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。サプリメントなどでオメガ3系脂肪酸やセラミドなどをプラスすると、より皮膚の健康を促進してくれるため、おすすめです。

 

<ノミ・マダニ予防>

特に、春から夏にかけては虫の活動が活発になるため、ノミやマダニの定期予防も忘れずに行いましょう。基本的に1ヶ月に1回の頻度で投薬するため、投薬し忘れないように気をつけてください。

 

また、心配な場合は健康診断を兼ねて毎月動物病院を受診し、その都度処方してもらうと良いでしょう。

 

まとめ

皮膚トラブルはいち早く異常に気が付き、初期の段階から治療を始めることが重要です。そのため、愛犬・愛猫との快適な生活を守れるように、定期的なケアと適切な対処を心がけましょう。

南国市のなんごくアニマルクリニックでは、皮膚疾患に関する豊富な経験と専門知識をもとに、最適な治療を提案いたします。そのため、どんなに些細なことでも構いませんので、皮膚に関して疑問や不安がある場合は、遠慮なくなんごくアニマルクリニックまでお問い合わせください。

 

高知県南国市の『なんごくアニマルクリニック』
TEL:088-863-0039

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