2025.03.31 愛犬・愛猫の目の健康を守る|高知県南国市の動物病院による眼科ケアガイド
犬や猫の目は非常にデリケートな器官であり、トラブルが発生すると視力の低下や失明といった深刻な問題につながることがあります。目が見えなくなると、物にぶつかってケガをすることが増えたり、活動量が減ってしまったりと、生活の質が大きく低下してしまいます。
最近、愛犬や愛猫の「目が赤い気がする…」「目をしょぼしょぼさせているけど大丈夫かな?」といった不安を感じたことはありませんか?目の病気は進行が早いものも多く、早期発見・早期治療が特に重要です。違和感を見逃さず、日頃から愛犬や愛猫の目の健康に気を配ることが大切です。
今回は、犬や猫に見られる目の症状や考えられる病気、動物病院を受診するべきタイミング、ご家庭でできるケア方法などについて詳しく解説します。
■目次
1.犬や猫に見られる主な目の症状
2.目の症状が示す可能性のある眼疾患
3.目の症状を放置するリスク
4.動物病院を受診すべきタイミング
5.なんごくアニマルクリニックでの眼科診療について
6.ご家庭でできる目のケアと予防法
7.まとめ
犬や猫に見られる主な目の症状
犬や猫によく見られる目の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
<かゆみ>
目にかゆみがある場合、目を頻繁にこする、前足で目を触る、顔を床や家具にこすりつけるなどの行動サインが見られます。
<痛み>
痛みがある場合には、目を眩しそうにシパシパさせる、涙目になるなどの外見的変化が見られます。
<充血>
白目の部分が赤くなる、目の周囲が腫れる、まばたきの回数が増えるなどの変化が見られる場合は、炎症を起こしている可能性があります。充血の原因としては、アレルギーや感染症、異物の混入などが考えられます。
<目やに>
健康な状態でも茶色っぽい目やにが出ることがありますが、通常よりも目やにの量が多い、色や性状が変わる(透明→黄色や緑色、水様性→粘り気)などの兆候が見られる場合は、目に異常が生じている可能性が考えられます。
これらの症状が複数同時に現れる場合は、深刻な疾患のサインかもしれません。
目の症状が示す可能性のある眼疾患
目の異常が見られる場合、以下のような眼疾患の可能性が考えられます。
<結膜炎>
結膜が赤く腫れ、涙や目やにが増えるのが特徴です。アレルギーや細菌・ウイルス感染、異物や外傷が原因となることが多く、放置すると角膜炎へ進行する可能性があります。
<角膜炎>
角膜(黒目の表面)が炎症を起こし、痛みが強く出る病気です。異物や外傷、結膜炎の悪化などが原因で発症します。症状が進行すると、角膜が白く濁ったり、血管が伸びたりすることがあります。
<ドライアイ(乾性角結膜炎)>
涙の分泌が不足し、目が乾燥して炎症を起こします。特に、シー・ズーやフレンチ・ブルドッグ、パグなどの犬種や、ペルシャ、エキゾチック・ショートヘアなどの猫種に多く見られます。目が乾くことで充血や痛み、目やになどが生じ、進行すると角膜が傷つき、視力が低下する恐れがあります。
猫のヘルペスウイルス性角結膜炎に特徴的に認められる樹枝状潰瘍(フルオレセイン染色後のスリットランプ検査所見)

猫のヘルペスウイルス性角結膜炎に特徴的に認められる樹枝状潰瘍(フルオレセイン染色後のスリットランプ検査所見)
<緑内障>
眼圧が上がることで視神経がダメージを受け、視力を失ってしまう病気です。そのため、ものによくぶつかるようになったり、眠っている時間が増えたりします。また、進行すると次第に目が大きくなって飛び出すようになり、さらに進行すると、最終的には目がしぼんでしまいます。
目の症状を放置するリスク
目の病気を放置すると、視力の低下や失明といった深刻な結果を招く可能性があります。特に「目が赤い」「ネバついた緑色の目やにが出る」といった症状は重篤な疾患のサインであることが多く、放置するのは非常に危険です。
また、早期であれば短期間の治療で済むことが多いですが、症状が進行すると治療が長引き、完治が難しくなるケースもあります。「少し様子を見よう」と考える前に、早めの受診を心がけましょう。
動物病院を受診すべきタイミング
以下のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
・目が赤い
・ネバついた緑色の目やにが出ている
・目をショボショボさせている
・目をかゆがっている
また、急な視力低下や激しい痛み、外傷などが見られる場合は、緊急性が高く、すぐに対処しなければ失明する恐れがあります。そのため、様子を見ずに直ちに動物病院を受診してください。
動物病院を受診する際は、「いつから症状が出ているか」「どのような変化があったか」などをメモしておくと診察がスムーズになります。そのため、これらの情報を随時メモしたり、スマホなどを使って目の状態を写真におさめたりしておくことで、正確に情報を伝えることができるのでおすすめです。
なんごくアニマルクリニックでの眼科診療について
南国市にあるなんごくアニマルクリニックには、眼科に精通している獣医師が2名在籍しております。
佐野恵子獣医師と宮川岳史獣医師は、両名とも比較眼科学会に所属しており、学会への参加や最新情報の収集を積極的に行いながら、日々の診療に活かしています。

佐野恵子 獣医師
佐野獣医師は豊富な経験を持つ大ベテランであり、眼科診療はもちろん、軟部外科や整形外科、眼科手術まで幅広く対応しています。細やかな変化にもすぐに気づいてくれる頼もしい存在で、多くの飼い主様から信頼を寄せられています。

宮川岳史 獣医師
一方で、宮川獣医師は眼科診療において記録を非常に重視しており、画像や数値による詳細な記録を蓄積し、それらのデータをもとに学会発表なども積極的に行っています。遠方にお住まいの飼い主様へは、継続治療に限り、写真を送っていただく形での遠隔診療にも対応しておりますので、ご希望の方は一度ご相談ください。
また、当院では細隙灯顕微鏡や眼底検査機器などの眼科専用機器を取り揃えており、正確な診断と適切な治療ができる体制を整えています。難症例の場合には、専門の病院をご紹介するなど、幅広いサポート体制で飼い主様と大切なご家族を支えております。
ご家庭でできる目のケアと予防法
<目の表面に毛やゴミが付着している場合>
まずは、ご自宅で目を洗ってあげましょう。水道水でも良いのですが、水道水には塩素が含まれているため、場合によっては目に刺激を加えてしまうことになります。
そのため、可能であれば精製水や市販の目の洗浄液を使って目を洗うようにしましょう。ただし、目の洗浄液を使う際は、必ず動物用のものを使用してください。
<自己判断で薬を使用しない>
家に残っている目薬や軟膏を自己判断で使うのはやめましょう。使いかけの目薬や軟膏は、中で細菌が繁殖している可能性があります。また、合わない薬を使うことで症状が悪化する恐れもあるため、自己判断で薬を使用しないよう気をつけましょう。
<定期的な眼科チェックを行う>
早期発見のためには、定期的な健康診断や眼科チェックを欠かすことはできません。そのため、1年に1回(シニア期に突入したら半年に1回)のペースで、健康診断と眼科チェックを忘れずに受けるようにしましょう。
まとめ
充血や目やにといった目の症状は、放置すると永久的な視力低下や失明などを引き起こすリスクがあるため、早期受診が非常に重要です。愛犬や愛猫の視力と目の健康を守ることは、彼らの生活の質を維持するために不可欠です。
南国市のなんごくアニマルクリニックでは、眼科診療に力を入れている獣医師が常駐し、専門機器を用いた詳細な検査や治療、眼科手術にも対応しております。目の不調に関する不安や疑問がございましたら、どんな小さなことでもお気軽に、なんごくアニマルクリニックまでご相談ください。
高知県南国市の『なんごくアニマルクリニック』
TEL:088-863-0039