2025.12.02 愛猫がよく水を飲む、尿の量が増えたら要注意|猫の腎臓病の症状や治療とは?
最近、愛猫が「水を飲む量が増えた気がする」「尿の量が普段よりも増えた」といった日常のちょっとした変化に、不安を感じたことはありませんか?これらの症状は、猫に多く見られる「腎臓病」のサインかもしれません。
腎臓病はシニア期の猫だけでなく、プレシニア期(7歳〜)の猫でも発症することがあります。進行はゆるやかで初期症状がほとんど見られないため、気づかないうちに悪化していることも少なくありません。そのため、早期に発見して適切なケアを行うことが大切です。
今回は猫の腎臓病について、初期症状から検査、治療方法などをご紹介します。

■目次
1.猫の腎臓病とは?
2.初期症状に気づくために|こんな変化が見られたら要注意
3.早めに異常を発見するポイント
4.検査・診断方法
5.治療と生活サポートのポイント
6.健康診断キャンペーンのご案内|プレシニア期から始める“腎臓チェック”
7.まとめ
猫の腎臓病とは?
猫の腎臓病は、死因の上位に挙げられる深刻な病気です。初期にははっきりとした症状が現れにくく、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。
腎臓は体内の老廃物を尿として排出したり、ミネラルバランスを整えたりと、健康維持に欠かせない重要な役割を担っています。この腎臓の働きが徐々に低下していく状態を「慢性腎臓病」といいます。
また、腎臓の機能は一度低下してしまうと回復が難しいものの、適切な治療やケアを続けることで進行をゆるやかに抑えることができます。だからこそ、できるだけ早い段階で異変に気づき、対処していくことが大切です。
初期症状に気づくために|こんな変化が見られたら要注意
愛猫に以下のような変化が見られた場合は、腎臓病の初期サインである可能性があります。
<腎臓病の初期症状>
・水をよく飲む、尿の量が増える(多飲多尿)
・食欲が落ちる
・体重が減る
・毛づやが悪くなる
・口臭が強くなる
・よく寝るようになる
・動きが鈍くなる
これらの症状は「年だから仕方がない」と見過ごされがちですが、実は腎臓病の進行により体内バランスが崩れているサインかもしれません。
特に、プレシニア期からこのような変化が見られた場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
早めに異常を発見するポイント
猫は本能的に体の不調を隠す傾向があるため、飼い主様が異変に気づいたときには、すでに病気が進行しているケースも少なくありません。
腎臓病においても同様で、腎臓の機能が75%以上低下するまで目立った症状が出にくいという特徴があります。そのため、見た目には元気そうに見えても、実は腎臓が静かにダメージを受けていることがあります。
こうした「見えない不調」を早期に見つけるためには、血液検査を含めた定期的な健康チェックがとても重要です。特に7歳を過ぎた猫では、腎臓の状態を確認しておくことが、安心を守る第一歩になります。
検査・診断方法
腎臓病の検査方法は、以下の通りです。
<SDMA検査>
従来の血液検査よりも早い段階で腎臓の異常を見つけることができる、新しい検査です。ごく初期の腎機能の低下にも反応するため、早期発見・早期治療につなげることができます。
<血液検査(BUN・クレアチニン)>
腎臓がどれだけ老廃物を排出できているかを数値で確認する基本的な検査です。
<尿検査・エコー検査>
尿の性質や腎臓の形態を立体的に評価することで、より詳しい診断が可能になります。

なお、腎臓病と似た症状(特に多飲多尿)は、猫の糖尿病でも見られることがあります。そのため、検査によって正確に鑑別することも大切です。
治療と生活サポートのポイント
腎臓病の治療は、病気の進行を止めるのではなく「進行を遅らせ、できる限り快適な生活を送れるようにする」ことが目的です。そのためには、以下のような治療やケアを行います。
<食事療法(腎臓サポート食)>
タンパク質やリン、ナトリウムの摂取量を調整した療法食によって、腎臓への負担を軽減します。
<点滴療法>
腎機能の低下によって脱水を引き起こすことがあるため、定期的な点滴で水分を補い、体調の安定を図ります。
<薬物療法>
血圧を下げる薬や、腸内で老廃物を吸着する活性炭の投与など、症状や進行具合に応じた薬を使用します。近年では、腎機能の低下を抑制する「ラプロス®」という薬も治療に取り入れられています。
さらに、ご自宅では以下のようなケアを行うことが大切です。
・塩分を多く含む食べ物やおやつは避ける
・こまめな水分補給を促す
こうした日常的なサポートに加えて、7歳を過ぎた猫には、年に2回ほどの定期的な健康診断を受けることも大切です。健康診断によって、症状が出る前の段階で腎臓の異常を見つけることができ、早期の対応につながります。
健康診断キャンペーンのご案内|プレシニア期から始める“腎臓チェック”
当院では、2026年1月から2月の期間限定で「猫の健康診断キャンペーン」を実施予定です。
このキャンペーンでは、腎臓病の早期発見に特化した「血液検査パッケージ(SDMA検査含む)」をご用意しています。初めての健康診断を検討されている方にも安心して受けていただける内容です。
まだ症状が出ていない“今”の時期に、検査を受けていただくことが重要です。検査内容やご不安な点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
猫の腎臓病は、早期に発見できれば進行を抑え、穏やかで快適な日々を守ることができます。
また、7歳を過ぎた猫では、腎臓病だけでなく糖尿病などの生活習慣病がみられることもあります。こうした病気を早期に見つけて治療につなげるためにも、定期的な健康診断を受けて体の変化をしっかりと確認することが大切です。
なお当院では、獣医師を中心としたチーム医療体制で、飼い主様と猫ができるだけ長く幸せに過ごせるようサポートしています。
分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
高知県南国市の『なんごくアニマルクリニック』
TEL:088-863-0039
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