2026.09.09 シニア期の犬・猫に多い病気とは?健康診断で確認したいことや受診頻度を解説
シニア期の犬や猫では、腎臓病や心臓病、腫瘍など、年齢とともに注意したい病気が増えてきます。一方で、病気によっては初期に目立った症状が表れず、普段どおりに過ごしているように見える場合もあります。
そのため、シニア期の犬や猫では症状が表れてから受診するだけではなく、元気なうちから定期的に健康診断を受け、体の変化を確認しておくことが大切です。
今回は、シニア期の老犬・老猫に多い病気をはじめ、健康診断を受ける頻度や主な検査内容、特に確認しておきたい腎臓の検査について解説します。

■目次
1.シニア期の犬や猫に多い病気とは?
2.シニア期の犬や猫が健康診断を受ける目安とは?
3.健康診断では何を調べる?症状や希望に合わせて検査を選択
4.特にシニア期は尿検査が大切|血液検査だけではわからない腎臓の変化も
5.「どこまで調べたいか」を飼い主様と相談しながら決めます
6.まとめ
シニア期の犬や猫に多い病気とは?
シニア期になると、腎臓病や心臓病、腫瘍、関節の病気、歯周病など、さまざまな病気がみられるようになります。
<腎臓病>
水を飲む量や尿量が増えたり、食欲が低下したりするほか、体重減少などの症状が表れる場合があります。特に猫では、シニア期に注意したい病気のひとつです。
<心臓病>
咳や呼吸の変化、疲れやすさなどの症状が表れる場合があります。初期には目立った症状がなく、診察で心雑音を指摘されて気づくケースもあります。
犬や猫の心臓病についてはこちらから
当院の循環器診断についてはこちらから
<腫瘍>
皮膚など体の表面にできたしこりは飼い主様が気づける場合があります。一方、胸部や腹部など体の中にできた腫瘍は、外から見ただけではわからない場合があります。
<関節の病気>
関節炎などにより、歩き方が変わったり、段差を嫌がったりする場合があります。「年齢のせい」と思われやすい変化にも注意が必要です。
<歯周病>
口臭や歯茎の腫れ、出血などがみられる場合があります。進行すると、口の痛みから食べにくそうにするなどの変化が表れることもあります。
このように、シニア期に注意したい病気のすべてを日常生活の変化だけから見つけるのは困難です。特に初期には目立った症状が表れない病気もあるため、定期的な健康診断で体の状態を確認することが大切です。
シニア期の犬や猫が健康診断を受ける目安とは?
当院では健康診断を受ける頻度について、6歳頃までは年1回、7歳以降は年2回をひとつの目安としておすすめしています。
特に大型犬は、小型犬や猫よりも早い時期から加齢に伴う変化が表れる傾向があります。そのため、中年齢を迎えた大型犬についても、年2回程度の健康診断をご検討ください。
さらに、10歳以上の犬や猫には、年2回の健康診断を特におすすめしています。
「昨年の健康診断では問題がなかったから、今年も大丈夫」と思われる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。しかし、犬や猫の体調は年齢とともに変化します。
前回の検査では異常がなくても、その後に病気が進行する可能性があるため、年齢や健康状態に応じて定期的に確認することが、病気の早期発見につながる場合があります。
健康診断では何を調べる?症状や希望に合わせて検査を選択
当院の健康診断では身体検査に加えて、血液検査、尿検査、便検査、心電図検査、レントゲン検査、超音波検査など、基本的に麻酔を必要としない範囲でもさまざまな検査を行えます。
◆血液検査
肝臓や腎臓の数値、血糖値、貧血の有無などを調べ、全身の健康状態を確認します。
◆尿検査
尿の濃さや尿蛋白、尿中の細胞などを調べ、腎臓や膀胱をはじめとした尿路の異常がないか確認します。
◆便検査
便の状態や寄生虫の有無などを調べ、消化管の異常を確認します。
◆心電図検査
心臓の電気的な活動を記録し、不整脈などの異常がないか確認します。
◆レントゲン検査
胸部や腹部などを撮影し、心臓や肺、臓器の大きさ・形などを確認します。骨や関節の状態を調べる際にも用います。
◆超音波検査
超音波を利用して、心臓や腹部の臓器などを画像で確認します。臓器の内部や動きなど、レントゲン検査だけでは確認しにくい部分を調べる際にも役立ちます。
検査内容は、症状や診察結果に応じて選択します。例えば、心雑音が確認された場合にはレントゲン検査や超音波検査、多飲多尿がみられる場合には尿検査などを検討します。
一方、気になっていた症状とは別の異常が検査で見つかるケースもあります。そのため、症状がない場合でも定期的に複数の検査を受け、体全体の状態を確認しておくことが大切です。
ただし、すべての犬や猫にすべての検査が必要とは限りません。年齢や体調、これまでの病歴、飼い主様のご希望などを踏まえながら、必要な検査を相談して決めていきます。
特にシニア期は尿検査が大切|血液検査だけではわからない腎臓の変化も
シニア期に注意したい腎臓病については、血液検査に加えて尿検査を行い、腎臓の状態を多角的に確認することが大切です。
腎臓病では、血液検査で明らかな異常が確認される前から、尿を濃くする力が低下したり、尿蛋白などの変化が表れたりする場合があります。そのため、血液検査で大きな異常がなくても、尿検査が腎臓の異常に気づくきっかけになることがあります。
当院では、必要に応じて尿蛋白/クレアチニン比(UPC)を測定したり、尿を顕微鏡で調べたりして、腎臓や尿路の状態を詳しく確認します。実際に、血液検査では目立った異常がみられなくても、尿検査の結果から腎臓の異常が疑われ、詳しい検査につながるケースがあります。
当院では院内に尿検査機器を導入しており、検査項目によっては約1分で測定結果を確認できます。
なお、尿はご自宅で採取したものをお持ちいただいても検査できます。採尿方法がわからない場合やうまく採取できない場合には、事前にご相談ください。
「どこまで調べたいか」を飼い主様と相談しながら決めます
「シニアになったら、すべての検査を受けなければいけないのだろうか」と迷われる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
当院では検査を一律に行うのではなく「どこまで調べたいのか」という飼い主様のご希望を伺いながら、検査内容を一緒に検討することを大切にしています。

例えば「まずは基本的な検査を受けたい」「最近、水を飲む量が増えたので腎臓を調べたい」「できる範囲で全身を詳しく確認したい」など、ご希望はそれぞれ異なります。
気になる症状や調べたい範囲を事前にお伝えいただければ、年齢や体調、これまでの病歴なども踏まえ、必要と考えられる検査をご提案します。「全体的に詳しく調べたい」という場合には、ご希望に応じて複数の検査を組み合わせることも可能です。
また、犬では3〜5月に、血液検査を通常料金より受けやすい価格で実施する健診期間を設けています。詳しい検査内容や料金については、事前に当院までお問い合わせください。
まとめ
シニア期の犬や猫では、腎臓病や心臓病、腫瘍など、年齢とともに注意したい病気が増えてきます。一方、初期には目立った症状が表れず、普段どおりに過ごしているように見える場合もあります。
そのため、6歳頃までは年1回、7歳以降や中年齢の大型犬では年2回をひとつの目安として健康診断を受けることをおすすめします。特に10歳以上の犬や猫では、年2回の健康診断で定期的に体の状態を確認していきましょう。
血液検査だけではなく、尿検査やレントゲン検査、超音波検査などを必要に応じて組み合わせると、ひとつの検査だけでは把握しにくい体の変化に気づくきっかけになります。
当院では、すべての検査を一律におすすめするのではなく、飼い主様のご希望や愛犬・愛猫の年齢、症状などを踏まえ、どこまで調べるかを相談しながら健康診断の内容を決めています。「健康診断を受けたほうがよいのかわからない」「どの検査を選べばよいのか迷っている」という段階でも、お気軽に当院までご相談ください。
■関連する記事はこちらから
元気そうでも安心しないで|犬や猫の健康診断で“今”を知る大切さ
高知県南国市の『なんごくアニマルクリニック』
TEL:088-863-0039
★初めての方もご予約可能!!当院の診療予約は下記をクリック!★
診療予約はこちらから
病院を知りたい方は下記をクリック!
診療案内はこちらから