2026.09.09 高知県で注意したい犬のレプトスピラ症|川遊び・田んぼでの感染リスクや症状、ワクチンについて
自然豊かな高知県では、犬と川遊びをしたり、水辺を散歩したりする機会も多いのではないでしょうか。しかし、水辺や湿った土には「レプトスピラ症」という感染症のリスクが潜んでいることがあります。
レプトスピラ症は、ネズミなどの野生動物の尿によって汚染された水や土などを介して感染する病気です。当院でも年に数頭の犬でレプトスピラ症が見つかっており、高知県で暮らす犬にとっても注意したい感染症のひとつです。
また、レプトスピラ症は犬だけではなく、人にも感染する可能性がある「人獣共通感染症」です。特に秋に増える傾向があるため、水辺で遊ぶ機会がある犬では注意が必要です。
今回は、高知県で犬と暮らす飼い主様に知っていただきたいレプトスピラ症の感染経路や症状、ワクチンによる予防について解説します。

■目次
1.犬のレプトスピラ症とは?人にも感染する可能性がある病気
2.川遊び・田んぼ・ネズミに注意|高知県で考えたい感染リスク
3.元気・食欲の低下や黄疸に注意|犬のレプトスピラ症の症状
4.犬のレプトスピラ症を予防するには?|ワクチンと日頃の対策
5.犬のレプトスピラ症はどうやって診断・治療する?
6.まとめ
犬のレプトスピラ症とは?人にも感染する可能性がある病気
レプトスピラ症は「レプトスピラ」という細菌に感染することで発症する病気です。
ネズミをはじめとする野生動物などが菌を保有している場合があり、その尿とともに排出された菌によって水や土が汚染されます。犬は、こうした汚染された水や土に触れたり、水を飲んだりすることで感染する可能性があります。
特に、皮膚に傷がある場合や、目・鼻・口などの粘膜に菌が触れることで感染することがあります。そのため、ネズミに直接触れていなくても注意が必要です。
さらに、レプトスピラ症は人にも感染する可能性がある人獣共通感染症です。感染した動物の尿や、尿で汚染された水・土などを介して人へ感染する場合があります。
人では発熱や頭痛、筋肉痛などが表れ、重症化すると黄疸や腎機能の低下などにつながることもあります。そのため、犬だけの問題と考えず、飼い主様も感染に注意する必要があります。
川遊び・田んぼ・ネズミに注意|高知県で考えたい感染リスク
高知県には川や田んぼなどが多く、犬と自然のなかで過ごす機会もあります。しかし、レプトスピラは水分のある環境で生存しやすいため、川や水たまり、湿った土などが感染源になる可能性があります。
特に注意したいのは、次のような犬です。
・川や沢などでよく遊ぶ
・田んぼや用水路の近くを散歩する
・水たまりの水を飲むことがある
・山やキャンプなどのアウトドアへ出かける機会が多い
・ネズミなどの野生動物がいる場所に立ち入ることがある
レプトスピラ症は、野生動物との直接的な接触だけで感染するわけではありません。野生動物の尿で汚染された環境を介して感染する可能性があることを知っておくことが大切です。
当院では実際に年に数頭、レプトスピラ症と診断される犬がいます。そのため、高知県で川遊びをする犬や屋外で活発に過ごす犬では、身近な感染リスクとして対策を考えておきましょう。
元気・食欲の低下や黄疸に注意|犬のレプトスピラ症の症状
犬がレプトスピラ症に感染した場合、症状の程度はさまざまです。
初期には、次のような症状が表れることがあります。
・元気がない
・食欲が低下する
・発熱する
・嘔吐や下痢がみられる
さらに、レプトスピラ症では肝臓や腎臓に障害が生じる場合があり、進行すると皮膚や白目などが黄色く見える「黄疸」や、尿量の変化などが表れることもあります。
当院でも、元気や食欲の低下に加えて黄疸がみられる場合などに、レプトスピラ症を疑うことがあります。
ただし、症状だけを見て飼い主様がレプトスピラ症かどうか判断することは困難です。川遊びや水辺への外出後に元気や食欲がなくなるなど、普段と違う様子がみられた場合は、早めに動物病院を受診してください。
その際には「数日前に川で遊んだ」「田んぼの近くを散歩した」など、水辺へ出かけたことも獣医師へ伝えると診断の手がかりになります。
犬のレプトスピラ症を予防するには?|ワクチンと日頃の対策
レプトスピラ症には、ワクチンによって予防が期待できる血清型があります。
そのため当院では、川遊びをする犬や屋外で遊ぶ機会が多い犬には、レプトスピラを含む混合ワクチンの接種をおすすめしています。
ただし、レプトスピラには複数の血清型があり、ワクチンですべての型を予防できるわけではありません。また、犬の生活環境や体調などによって適したワクチンは異なります。
「川へよく遊びに行く」「田んぼの近くがいつもの散歩コース」といった生活環境も獣医師に伝えたうえで、接種するワクチンについて相談しましょう。
また、ワクチンだけに頼らず、感染する機会を減らすことも大切です。
水たまりや用水路などの水を飲ませない、ネズミなどの野生動物が多い場所にはできるだけ近づけないなど、普段の散歩やアウトドアでも意識してみてください。
犬のレプトスピラ症はどうやって診断・治療する?
レプトスピラ症が疑われる場合は、まず症状や生活環境、川遊びや水辺への外出歴などを確認します。
そのうえで、血液検査や尿検査などを行い、肝臓や腎臓の状態を確認します。また、必要に応じてレプトスピラへの感染を調べる検査を行い、ほかの病気の可能性も含めて総合的に診断します。

治療では、レプトスピラに対する抗菌薬を使用します。また、脱水や肝臓・腎臓への影響など、犬の状態に応じて点滴をはじめとする治療を組み合わせます。症状が重い場合には、入院による管理が必要になることもあります。
なお、レプトスピラ症が疑われる犬の尿には菌が排出されている可能性があるため、飼い主様への感染にも注意が必要です。自己判断で排泄物を処理するのではなく、感染が疑われる場合のご家庭での対応についても獣医師の指示を受けるようにしましょう。
まとめ
高知県は川や田んぼなど自然に恵まれ、犬と水辺で過ごす機会も多い地域です。一方で、こうした環境では、野生動物の尿などで汚染された水や土を介してレプトスピラに感染する可能性があります。
当院でも年に数頭の犬でレプトスピラ症が見つかっており、特に秋は注意したい時期です。川遊びやアウトドアを楽しむ犬では、生活環境に合わせてレプトスピラを含むワクチンの接種について検討しましょう。
また、元気や食欲の低下、黄疸などが表れた場合には、レプトスピラ症を含む病気が隠れている可能性があります。特に川遊びや水辺への外出後に気になる変化がみられた場合は、いつ、どのような場所へ出かけたのかをお伝えいただき、早めに動物病院へご相談ください。
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