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2026.07.01 犬や猫の毛が抜けるのは病気のサイン?|脱毛の原因と受診の目安を獣医師が解説

「最近、愛犬や愛猫の抜け毛が増えた気がする」
「ブラッシングをすると以前より毛がたくさん取れる」
「地肌が見えてきたように感じる」

このような変化に気づき、「何か異常があるのでは」と心配になる飼い主様もいらっしゃるかと思います。

犬や猫では、季節の変わり目に見られる換毛によって毛が抜けることがあります。そのため、抜け毛が増えたからといって、必ずしも病気とは限りません。

一方で、脱毛の背景に皮膚病やホルモンの病気などが隠れているケースもあります。特に春から夏にかけてはノミが増えやすく、かゆみや脱毛に関するご相談も多くなる時期です。

「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに症状が進行してしまう場合もあります。そのため、脱毛の原因を正しく知り、受診の目安を理解しておくことが大切です。

今回は、犬や猫の脱毛で考えられる原因や受診のタイミングなどについて解説します。

■目次
1.犬や猫の脱毛には「自然な抜け毛」と「病気による脱毛」がある
2.犬や猫の脱毛で考えられる主な原因
3.「様子見で大丈夫?」病院へ行くべきタイミングとは?
4.動物病院ではどんな検査をするの?
5.おうちでできるケアと予防のポイント
6.まとめ

 

犬や猫の脱毛には「自然な抜け毛」と「病気による脱毛」がある

犬や猫の毛が抜けているからといって、すべてが換毛によるものとは限りません。

換毛期には古い毛が新しい毛へ生え変わるため、普段より抜け毛が増えます。しかし、脱毛の仕方によっては病気が関係している可能性もあります。

そのため、「どのように毛が抜けているか」を観察することが早期発見につながります。

 

<換毛期で見られやすい特徴>

・全身的に少しずつ毛が抜ける
・強いかゆみや赤みはほとんどない
・ブラッシングでまとまって毛が抜けることがある

 

<病気が疑われる脱毛の特徴>

・部分的に毛が薄くなっている
・左右対称に毛が抜けている
・円形に毛が抜けている
・皮膚が赤くなったり黒ずんだりしている
・かゆみやフケが増えている
・同じ場所を繰り返し舐めている

 

なお、猫の場合は毛が自然に抜けているのではなく、過度な毛づくろいによって毛が薄くなっているケースもあります。そのため、脱毛だけでなく行動の変化にも目を向けることが大切です。

 

犬や猫の脱毛で考えられる主な原因

脱毛を引き起こす原因はひとつではありません。

皮膚の病気だけでなく、体の内側の異常が関係している場合もあります。ここでは、脱毛の原因として比較的よく見られるものをご紹介します。

 

<ノミ・ダニなどの寄生虫>

春から夏にかけて増えやすいのがノミやダニなどの寄生虫です。

特にノミアレルギーでは、少数のノミに刺されただけでも強いかゆみが表れたり、毛が抜けたりすることがあります。

「うちの子は完全室内飼育だから大丈夫」と思われる飼い主様もいらっしゃいます。しかし、ノミは飼い主様の衣服に付着して持ち込まれたり、ベランダなどから侵入したりする場合もあります。

そのため、室内飼育の犬や猫であっても油断はできません。

犬や猫のノミ・マダニ予防についてより詳しく知りたい方はこちら

 

<アレルギーや皮膚炎>

アレルギーや皮膚炎も脱毛の原因としてよく見られます。

原因としては、食事に含まれる成分や花粉、ハウスダストなどが関係している場合があります。

強いかゆみによって皮膚を掻いたり舐めたりする状態が続くと、皮膚にダメージが加わり、結果として毛が薄くなってしまいます。

 

<ホルモン系の病気>

脱毛の原因として見落とされやすいのがホルモン系の病気です。

例えば、副腎や甲状腺の異常によってホルモンバランスが崩れると、毛が薄くなったり左右対称に脱毛したりすることがあります。

ホルモン疾患による脱毛は、皮膚病とは異なり、かゆみを伴わない場合が少なくありません。

そのため、「かゆがっていないのに毛だけが抜ける」という場合には注意が必要です。

また、見た目だけで診断することは難しく、血液検査などの詳しい検査が必要になるケースもあります。

 

<ストレスや過剰なグルーミング>

特に猫では、ストレスや不安が原因となって過剰な毛づくろいを行い、脱毛につながることがあります。

引っ越しや家族構成の変化、新しい犬や猫を迎えたことなどがきっかけになる場合もあります。

脱毛が見られるにもかかわらず皮膚に異常がない場合には、こうした行動学的な要因も考慮する必要があります。

 

「様子見で大丈夫?」病院へ行くべきタイミングとは?

脱毛が見られても、「換毛かもしれない」と考えて受診を迷う飼い主様は少なくありません。

しかし、病気が原因の場合には早めの対応が重要です。

実際に、「まだ軽そうだから」と様子を見ていた結果、症状が広がったり治療期間が長くなったりするケースもあります。

以下のような症状が見られる場合には、早めに動物病院へ相談しましょう。

 

<こんな症状があれば早めに相談を>

・急に毛が抜け始めた
・同じ場所を頻繁に舐めている
・皮膚が赤くなっている
・かゆみが強い
・フケやベタつきが増えた
・脱毛範囲が徐々に広がっている
・元気や食欲にも変化が見られる

 

特に、脱毛だけでなく元気消失や体重の変化などがみられる場合には、皮膚以外の病気が関係している可能性もあります。

 

動物病院ではどんな検査をするの?

脱毛の原因によって必要な検査は異なります。

そのため、まずは問診や皮膚の状態の確認を行い、その後に必要な検査を組み合わせながら原因を探していきます。

主な検査としては以下のようなものがあります。

・ノミやダニの有無の確認
・皮膚や毛の顕微鏡検査
・真菌などの感染症の検査
・血液検査
・ホルモン検査

特にホルモン系の病気は、見た目だけでは判断できない場合が少なくありません。そのため、皮膚の検査だけでなく血液検査を行うこともあります。

当院では、一次診療からセカンドオピニオンまで幅広く対応しています。また、チーム医療を通じて原因を丁寧に確認し、それぞれの犬や猫に合わせた治療方針をご提案しています。

セカンドオピニオンと当院が大切にしている診療の姿勢についてはこちらから

<img src="5F0A2519 (2).jpg" alt="動物病院のトリミング室で、トリマーが小型犬のお尻周りをカットしている様子">

さらに、当院では院内でトリミングも行っているため、トリミング中に皮膚の赤みや脱毛などの異変に気づくことがあります。気になる変化が見られた際には獣医師が状態を確認できるほか、施術中の体調変化にも迅速に対応できる体制を整えています

当院のトリミングについてはこちらから

 

おうちでできるケアと予防のポイント

脱毛の予防や早期発見のためには、以下のような日頃のケアや観察も大切です。

 

<定期的なノミ予防を続ける>

ノミによる脱毛や皮膚炎を予防するためには、予防薬を定期的に使用することが大切です。ノミは春から秋にかけて活発になりますが、地域によっては一年中みられるため、予防期間についてはかかりつけ医に相談しましょう。室内飼育の犬や猫でも油断は禁物です。

 

<ブラッシングで皮膚の変化をチェックする>

ブラッシングを習慣にすると、抜け毛の量や皮膚の赤み、しこりなどの異変に気づきやすくなります。長毛種では毎日、短毛種でも週に2〜3回程度を目安に行うとよいでしょう。

 

<シャンプーはやりすぎに注意する>

シャンプーは皮膚を清潔に保つために役立ちます。しかし、頻繁に行うと皮膚のバリア機能を損なう場合があるため注意が必要です。月に1回程度を目安にし、皮膚の状態に合わせて調整しましょう

 

<脱毛の様子を記録しておく>

毛が抜け始めた時期や場所、広がり方などを写真に残しておくと、診察時の参考になります。変化の経過が分かることで、原因の特定や治療方針の検討にも役立ちます。

 

<猫はストレスの少ない環境を整える>

猫ではストレスが原因で過剰な毛づくろいを行い、脱毛につながることがあります。静かな場所に寝床を用意したり、安心して隠れられるスペースを作ったりして、落ち着いて過ごせる環境を整えてあげましょう。

 

まとめ

犬や猫の脱毛には、季節による自然な抜け毛だけでなく、ノミやダニなどの寄生虫、アレルギー性皮膚炎、ホルモン系の病気、ストレスなどが関係している場合があります。

特に、左右対称の脱毛や、かゆみが少ないにもかかわらず毛が抜けているケース、春から夏にかけてのノミが関係する脱毛には注意が必要です。

脱毛の原因は見た目だけでは判断できないことも多く、早めに検査を行うことで負担の少ない段階から治療を始められる可能性があります。

「換毛かもしれないけれど少し気になる」「以前より毛が薄くなった気がする」と感じた際は、そのまま様子を見るのではなく、一度ご相談ください。

当院では脱毛の原因を丁寧に確認し、犬や猫それぞれに合った治療やケアをご提案しています。

 

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