2025.06.05 動物病院の受診の目安と夜間診療の特徴|いつ動物病院に行くべき?
夜間や休日に愛犬や愛猫の体調が悪くなったとき、「今すぐ病院に連れて行くべき?」「朝まで様子を見ても大丈夫なのか…」と迷った経験はありませんか?特に、かかりつけの動物病院が営業時間外の場合は、どうすればよいのか分からず、不安になってしまう飼い主様も多くいらっしゃいます。
また、犬や猫の体調不良は見極めが難しく、そのまま様子を見ているうちに悪化してしまうケースも少なくありません。そのため、早めの対応が命を守る鍵になります。
今回は、夜間に動物病院を受診すべき症状の目安や、通常診療との違い、夜間診療の特徴、そして日頃から備えておきたいことまで、飼い主様が適切な判断を行えるよう、わかりやすく解説します。
■目次
1.受診を検討すべき症状と目安
2.動物病院での通常診療について
3.夜間救急診療の特徴と知っておくべきこと
4.夜間診療を受診する際の準備と心構え
5.日頃からできる備えと健康管理
6.まとめ
受診を検討すべき症状と目安
一般的な受診の目安としては、「いつもと様子が違う」という違和感です。
<緊急性の高い症状>
以下のような症状が見られた場合は、時間帯に関わらず、すぐに動物病院を受診してください。放置すると命に関わる可能性があります。
・呼吸が苦しそう、息が荒い
・意識がもうろうとしている、反応がない
・けいれんを起こしている
・大量出血
・体が硬直している、起き上がれない
<中程度の症状>
一見そこまで深刻に見えない症状でも、以下のような状態が続く場合には早めの受診が望ましいです。
・嘔吐や下痢が複数回続いている
・食欲が明らかに落ちている
・元気がない、動きたがらない
・排尿・排便が極端に少ない、または出ない
・歩き方がふらついている、足を引きずっている
特に子犬や子猫、シニアの場合は、体力が少ないため、軽い体調不良でも短時間で命に関わる状態に進行することがあります。そのため、中程度の症状であっても様子見はせず、速やかに動物病院を受診しましょう。
動物病院での通常診療について
体調不良への対応は、可能であれば診療時間内にかかりつけ医を受診するのが最も安心で確実です。通常診療では、以下のようなメリットがあります。
・十分な問診、各種検査、処置が受けられる
・継続的な経過観察が可能
・普段の体調や既往歴を把握している医師が診るため、微細な変化にも気づきやすい
・飼い主様とのコミュニケーションの時間がしっかり取れる
・夜間診療に比べ、診療費が抑えられることが多い
また、近年では予約制を取り入れている動物病院も多く、待ち時間の軽減やストレスの少ない受診が可能になってきています。こうした体制も、通常診療を優先する大きな理由のひとつです。
夜間救急診療の特徴と知っておくべきこと
夜間診療は、通常の診療とは異なる体制で行われています。あくまで「命をつなぐための応急処置」が主な目的であり、以下のような特徴があります。
・検査や処置は必要最低限に留まることが多い
・精密検査や手術ができない場合がある
・担当医がかかりつけ医とは異なる場合がある
・少人数で対応しているため、対応に限界がある場合もある
・夜間加算により、通常診療よりも診療費が高くなることがある
こうした制約がある一方で、夜間診療は「緊急時に命を救う」ために欠かせない重要な医療体制です。夜間診療を受けた後は、翌日以降にかかりつけ医へ診療情報を引き継ぎ、必要に応じて再度詳しい検査や治療を行う流れになります。
なお、当院では高知県獣医師会小動物部会の「当番制夜間診療参加動物病院」として、当番制による夜間診療を行っています。そのため、夜間に急な体調変化が起きた場合、まずは高知県獣医師会へご連絡ください。その後、指定の当番病院に連絡をして予約を取りましょう。
高知県獣医師会の電話番号:TEL:088-885-7002
夜間診療を受診する際の準備と心構え
夜間診療を受ける際は、限られた時間と情報の中で行われるため、スムーズな受診のために以下の準備をしておくと安心です。
・必ず事前に電話連絡をする(受診の可否や待機体制の確認)
・いつから、どんな症状があるかをメモしておく
・症状の動画を撮っておく
・ペット保険証、お薬手帳、服用中の薬などを持参する
また、夜間診療で応急処置を行った後は、原則として翌日以降に通常診療へ引き継がれます。そのため、夜間診療で資料などを受け取った場合は、忘れずにかかりつけ医にお渡しください。
日頃からできる備えと健康管理
突然の体調不良に備えるためには、普段から以下のような準備と予防が欠かせません。
<事前に夜間・休日対応の病院を確認>
特に子犬や子猫、シニアの場合、緊急時に受診できる病院を事前に確認しておくと安心です。
<定期的に健康診断を受ける>
病気を早期に発見できる可能性が高まります。シニア期には半年に1回を目安に健康診断を受けましょう。
<予防医療の徹底>
ワクチン接種やフィラリア予防、ノミ・ダニ対策などをしっかり行うことで、病気そのもののリスクを減らすことができます。
犬や猫のワクチン接種について|重要性や種類、適切なスケジュールなどはこちらから
犬のフィラリア予防について|適切な期間や予防薬の選び方などはこちらから
まとめ
夜間診療は、犬や猫の命を守るために必要な応急処置を行う場ですが、通常診療の代わりにはなりません。大切なのは、日中のうちに異変に気づき、できる限り診療時間内にかかりつけ医を受診することです。
飼い主様が「様子を見てもいいか」「すぐに病院へ行くべきか」を判断するためには、日頃の観察に加えて、不安なときにすぐ相談できるかかりつけ医の存在が非常に大切です。また、夜間診療の特徴や限界を理解し、いざという時に落ち着いて行動できるよう準備しておきましょう。
少しでも気になる症状があるときには、「まだ大丈夫」と思い込まず、本記事を参考にして、早めの受診を心がけてください。早期発見・早期治療が、犬や猫の健康を守る大きな力になります。
不安や疑問などありましたら、お気軽にご相談ください。
高知県南国市の『なんごくアニマルクリニック』
TEL:088-863-0039
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